長崎大学医学部・地域医療研究会に参加しました

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長崎大学医学部・地域医療研究会に参加しました

 11月14日(土)、長崎大学医学部第2講義室で開催された第9回九州EBM work shopを兼ねた地域医療研究会に宮野准教授、現代福祉学科3年の北村春菜さん、福田史織さん、水田千夏さんの4人が参加しました。今回のテーマは「地域医療で実践する根拠に基づく医療(Evidence Based Medicine)」で、実際に論文を読みながらEBMの基本(情報の集め方、効率のいい読み方、活かし方)について学ぼうとするものでした。医学科1年の高谷さんと石川くんの進行、医学科6年山崎さんの補助で始まりました。東京北医療センターの南郷栄秀先生のご講義は、日本プライマリ・ケア連合学会のワークショップでもすぐ定員が埋まる人気の講義で、今回で今年51回目とのことでした。

 初めのセッション1「臨床現場での二次資料の効率のよい使い方」では、EBMの5つのstepを確認した後、代表的な二次資料サイトである「UpToDate」と「DynaMed」を立ち上げながら、英文論文から情報を読むときの2つのハードルである「記載ヶ所を見付けられない」と「何が書いているのか読めない」をクリアーするために具体的検索方法をご教示いただきました。

 次のセッション2「原著論文の批判的吟味」では、南郷先生が準備された症例とそれに関連する原著論文から情報検索に入りました。患者(Patient)、介入(Intervenntion)、比較(Comparison)、結果(Outcome)が書かれている部分を探し出す作業から始まり、その後、「ランダム割り付けの隠蔽化」や「BaseLineは同等か」などの箇所を読み取る活動が続きましたが、現代福祉学科の学生はグループ内の医学部生の協力も得ながら、しっかり勉強することができました。同じ論文でも意見が分かれることがあるので、得られた情報が本当に正しいものかどうかを批判的に吟味して、その情報を目の前の患者さんにどう使っていくかがEBMでは大切とされました。

 これまでの多職種連携についての学習とは異なり、「UpToDate」などのサイトや原著論文にふれながら、医学科生の勉強法の一端を経験できたことは、現代福祉学科の学生にとっても自分たちの学びをふり返る意味で大きな成果があったと思われます。

 南郷先生からも、「チーム医療を進めていく上で、医学論文を読む力は医師だけ持っていればいいというものでもないと思います。対等な立場で、患者にとってベストな判断をする上で、こういったスキルはぜひ身につけていただければと思います。」というコメントをいただくなど、現代福祉学科の学生の参加を喜んでおられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参加学生の感想
現代福祉学科3年 北村春菜

 「地域医療研究会-第9回九州EBM workshop in 長崎」に参加して、EBMの5つのstepや、臨床現場での二次資料の効率のよい使い方、原著論文の批判的吟味についてなど、今まであまり耳にすることがなかった内容で学ぶことが多かった。原著論文の批判的吟味では、ランダム割付や英語の医学論文の構造、医学用語など難しく感じ、実際にEBMを体験するときは医学部の方に教えていただきながら論文を見ていった。得られた情報が本当に正しいのか、情報の有用性の3つの要素をどこに着目し読み取っていくのかについて学び、医学分野で行われている原著論文の見方を知った。そして、根拠に基づいた医療をしていくためには、真のoutcomeは何かを判断するということが大切になり、エビデンスがあったからといってそれをすべて使うのではなく、患者の背景、患者の考えや思いも重要視していくなど患者を中心に考えていく視点は福祉においても重要であり、通ずるものがあった。また、情報源は1つでなく多数あり、比べていくことが必要であるということや一次資料と二次資料についての話もあり、これからの勉強に役立てていきたいと思った。

 

現代福祉学科3年 福田史織

 今回、九州EBM workshop に参加させていたただき、根拠に基づいた医療を行うための5つのステップを学んだ。自分の学んでいる福祉とは異なる医療の分野におけるもので、難易度が高く分からないことばかりだったため、同じ班の医学部の学生に教えてもらいながら論文を読んだ。EBMの5つの1つめのステップとして、「問題の定式化(PICO)」がある。Oとはoutcome(成果)を意味しており、講演にきてくださった南郷先生は、患者さんの立場や状況において真のoutcomeは異なるということや最も大切なoutcomeを判断できなければ誤った診断をしてしまうということをおっしゃっていた。福祉においても、クライエントが何をニーズとしているのか、真のニーズは何か、ということを見極めなければ、その方への支援も意味のないものになってしまう。正しい判断をするために、その情報が真のものであるかということを見極める力が必要だと思った。また、エビデンスだけでなく、その方の病状と周囲をとりまく環境、その方の好みや行動も、判断をする上で考えなければならないということは福祉とも共通していると思う。目の前にいるクライエントと向き合い、より良い支援を行っていくためには、一つの情報だけにとらわれず、視野を広げ、あらゆる視点から考えていかなければならないと思った。

 

現代福祉学科3年 水田 小夏

 南郷先生の講義において、疑問にはBackground question(学問的な疑問)とForeground question(臨床現場での疑問)があって、学生の時はBackground questionの比重が大きいから、早いうちにBackground(=知識)を積み上げるといいという言葉が深く心に残った。
 セッション2の原著論文の批判的吟味のところでは、症例から原著論文を通してエビデンスを知り、治療を行うか考察するという流れであった。原著論文の読み方について、
Methodが一番大事で、その研究の方法が適切であるか、症例の数は少なくないかなど、キーワードとなる単語を探しながら読み解き、群の背景因子、誤差範囲などデータから読み取って論文を見ていくということを学ぶことができた。このセッションでは、用いた原著論文から投薬治療を行っても行わなくても、患者の健康は大きく左右しないということが分かったが、このような場合の治療を行う・行わないという判断について、医師の価値観が大きく影響するということがとても興味深かった。

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