[人間心理学科]卒業生メッセージ「人間心理学科で心理学の面白さに触れたことがすべてのはじまりです」

[人間心理学科]卒業生メッセージ「人間心理学科で心理学の面白さに触れたことがすべてのはじまりです」

卒業生メッセージ

「人間心理学科で心理学の面白さに触れたことがすべてのはじまりです」

三浦佳代子さん(純心女子高等学校出身、本学人間心理学科および大学院修了)

 

大学を卒業してから現在までの経歴について教えてください。

 長崎純心大学を卒業してから早9年。私は今、富山大学で研究員をしています。そして、今年の8月より金沢大学保健管理センターに助教として赴任します。

 私は、もともと、「臨床心理士になりたい!」と思い、長崎純心大学人間心理学科に入学しました。入学後は、心理学の幅広さと奥深さに触れ、特に神経心理学に興味を持つようになり、漠然とですが、「仕事として研究をやりたい!」とも思うようになりました。まずは、“臨床心理士になる”という目標を叶えるべく、長崎純心大学大学院博士前期課程に進学し、修了後は、長崎純心大学で助手として3年間働きました。その間、たくさんの学生と関わる機会に恵まれ、「教育にも携わりたい!」と思うようになりました。助手の任期を終えた後は、学部時代に興味を持った神経心理学に関する知見を深め、「将来は大学の教員になりたい!」という目標を持って、富山大学大学院生命融合科学教育部(博士課程)へ進み、日本学術振興会の特別研究員として、資金面の援助を受けながら研究に打ち込みました。そして、昨年の3月に学位(博士号)を取り、現在に至っています。次の職場は、臨床と研究、そして教育にも関わることができるため、目標の実現に近づきました!

博士課程ではどのような研究をしていましたか?

 主に神経内科と精神神経科をフィールドとして、神経疾患や精神疾患の患者さんの認知機能(記憶する・考える・理解する・判断するなどの頭の働き)に関する研究を行っていました。博士論文の研究としては、パーキンソン病という神経変性疾患の患者さんの認知機能や抑うつ(気分の落ち込み)、アパシー(意欲の低下)などの気分の問題、そして日常生活機能がどのように関係しているのかを調べました。患者さんを対象とした研究では、“研究者の心”と“臨床家の心”の両方が大切です。博士課程では、これらが鍛えられたと感じています。

 また、博士課程在学中には、北陸心理学会で大会発表賞を2回と奨励賞を1回、高次脳機能障害学会で優秀ポスター賞を受賞しました。研究成果やプレゼンテーション能力を認めていただき、とても嬉しかったです。私の研究の進め方やプレゼンテーションの仕方などの基礎は、長崎純心大学にいる時に養われたと思っています。

三浦さんの感じる心理学の面白さとは?

 人の心や行動に関する素朴な疑問、「なぜ?」が研究テーマになり得ること、そして、その「なぜ?」を科学的にアプローチしていく点に心理学の面白さを感じています。私は、卒業論文で“記憶”をテーマに取り上げました。例えば、皆さんは、【カボチャ】と【牛乳】という2つの単語を覚える際、どういうふうに覚えるでしょうか?「カボチャ、牛乳、カボチャ、牛乳、、、、」というように単語を頭の中でひたすら繰り返す人もいれば、「カボチャと牛乳でカボチャポタージュ」というように文章を作る人、単語を絵のようにイメージする人など、覚え方は人それぞれです。私は、このような覚え方の違い(記憶方略)に着目し、記憶成績との関係を心理学実験(科学的な方法)によって調べました。“心理学=カウンセリング”というイメージを持っている方が多いかもしれませんが、こういった人の記憶のしくみも心理学の研究テーマになります。

今後取り組みたいことを教えてください。

 研究活動においては、臨床や教育と結びつく研究の実践、エビデンスの構築を念頭において、研究を行っていきたいと思っています。現在、ポジティブ心理学に基づく介入やストレングス・アプローチによるカウンセリング(簡単に言うと、人の良いところや強みを活かす心理学的な関わり)などに関心を持っているため、これらに関する研究を進めていきたいです。こういった心理学的な関わりが、“どれくらい効果があるのか?”を主観的な心理指標と客観的な生理指標の両方を使って調べていきたいと思っています。

 また、現在、日本心理学会若手の会で幹事をしています。今後、特に学部生に心理学の面白さを伝え、研究者を目指している学生、心理学に携わる若手の役に立つ活動を企画立案し、取り組んでいきたいと思っています。

高校生、一般の方へメッセージをお願いします。

 初めて会う人に、「臨床心理士です」と名乗ると、決まって、「心が読めるんですか?」と聞かれます。残念ながら、心理学を勉強しても人の心が読めるようにはなりません。しかし、心理学は、人を理解したり、より良い人間関係を築いていくためのヒントなどを与えてくれる学問です。長崎純心大学は、地方にある小規模校ですが、小規模校ならではのアットホームな雰囲気で、学生同士も先生方も仲が良いです。また、親身になって面倒を見て下さる先生方がたくさんいて、私は卒業後もいろいろと相談に乗っていただいています。少しでも心理学に興味を持っている人は、是非、長崎純心大学で心理学の面白さに触れ、たくさんのことを学んで欲しいと思います。“学びたい”という思いがあれば、地方の大学だろうが都会の大学だろうが、小さな大学だろうが大きな大学だろうが、関係ありません!