[大学院・地域連携センター]熊本市の特別養護老人ホーム「シルバーピアさくら樹」で研修会を行いました

[大学院・地域連携センター]熊本市の特別養護老人ホーム「シルバーピアさくら樹」で研修会を行いました

大学院臨床心理学分野では、(財)日本臨床心理士資格認定協会の基金による熊本震災支援活動を行っています。

11月4日(金)は、地域貢献の一環としてさまざまな事業場において産業メンタルヘルス支援を行っている本学地域連携センターと共に、熊本市の「シルバーピアさくら樹」(以下さくら樹さん)にて職員のみなさまを対象とした「元気な明日のためのストレスマネジメント研修会」を実施しました。


さくら樹さんには特別養護老人ホームだけでなく、在宅の介護保険利用者のための通所介護(デイサービス)・居宅介護支援・訪問介護の事業所もあり、地域の福祉を支える拠点となっています(さくら樹さんホームページ http://www.108kai.com/)。
実際に、4月の震災の際は福祉避難所の開設や避難所での入浴サービスの提供など、職員の方々は自らも被災されながら、被災者の支援にあたってこられました。もっとも地震の影響が大きかった益城町に近いこともあり、職員のみなさまには多大なストレスがかかったであろうことが予想されました。

そこで私たちはさくら樹さんと検討を重ね、今回の研修会を実施しました。内容は、職場におけるメンタルヘルスの基本、ストレスについての基礎知識、そしてストレスへの対処法についてです。

ストレスには、日常のストレス、危機的状況におけるストレス、そして惨事ストレスがあります。大地震への遭遇は危機的ストレス、そして被災した方々を支援する活動においては、惨事ストレスを受ける可能性があります。惨事ストレスは、日本では阪神淡路大震災における消防隊員へのストレス反応から注目されるようになりました。当初は消防士・警察官・自衛隊員や海上保安官などが中心でしたが、現在では医師や看護師など医療福祉における対人援助職も体験する可能性があることがわかってきています。

日常のストレスと惨事ストレスは、ストレスの質は異なります。しかし、基本的な対処法は同じです。その対処法とは、ストレスや自分のストレス反応について知ること、気づいたら気分転換をすること、そして一人でためこまないよう相談する(話をする)ことです。

当日は、グループワークでストレスへの対処法について話し合ってもらいました。グループワークにはスタッフも参加し、被災時の状況含めさまざまなお話を伺うことができました。
また、連携のためにお越しいただいた熊本市の医療法人横田会 向陽台病院の臨床心理士の先生方にもご参加いただき、和やかな時間をすごすことができました。


またその後、ストレスへの対処法として「動作法」という心理療法を応用したリラクセーション法をご紹介し、みなさんにも体験してもらいました。
盛りだくさんの一時間でしたが、職員のみなさまが積極的にご参加いただいたおかげで、つつがなく終了することができました。


研修終了後も、被災時の状況や現状、いままでどうやって対処してきたか等々、貴重なお話を伺うことができました。今回の地震では、同じ地域でも被害の状況が大きく異なっています。
そのため、いっしょに生活をしているご家族であっても異なる経験をされていたり、そのことがその後も気持ちの面に影響を与えていたり、と震災の影響はまだ続いていることがわかりました。
しかし同時に、甚大な被害を受けつつも日常を取り戻そうと尽力され、実際に日常生活を取り戻しつつある現状には、熊本のみなさまの底力を大いに実感することとなりました。

私たちはこれからも何かしら熊本のみなさまのお役に立てるような活動ができたらと考えています。
しかしその際は、できるだけおじゃまにならないよう、押し付けにならないような支援のあり方を検討して参りたいと思っております。

改めまして、さくら樹さんには企画の段階からお打合せ等々で大変お世話になりました。研修にご参加いただいた職員のみなさま方、向陽台病院の先生方、そして研修後にお話をおきかせいただいたみなさま方、どうもありがとうございました。そして、今後ともどうぞよろしくお願い致します。