2018.09.14教育・研究

[長崎学研究所]「長崎学」安土・金沢・彦根 オプション研修を実施しました(2018/9/1~3)

9月1日(土)~3日(月)の2泊3日で「純心長崎学講座」のオプション研修を実施し、キリシタンゆかりの地を巡りました。参加者24名、お天気にも恵まれ、大変有意義な研修となりました。

研修スケジュール

9/1
(土)
長崎空港――伊丹空港(大阪)==豊中IC===近江八幡(昼食)==安土城跡===安土セミナリヨ跡===ホテル(金沢)
9/2
(日)
ホテル=長崎キリシタン殉教者の碑==カトリック金沢教会(ミサ)==兼六園(見学・昼食)==ひがし茶屋街==東尋坊==ホテル(福井市内)
9/3
(月)
ホテル==福井IC===龍潭寺===国宝彦根城==彦根市内(昼食)=大津SA==豊中IC==伊丹空港(大阪)――長崎空港

研修参加者の感想

今村正吾さん

座学に続き「浦上四番くずれ」の旅先を、津和野や高松・土佐や島根に続き、今年も現地研修に参加させて頂いたのは有益でした。

安土城での急傾斜の「石段」を昇り降りの「体力試し?」は想定外でしたが、今回の研修では織田信長のキリスト教の受け入れから秀吉と家康の禁止と弾圧の時代と「浦上四番崩れ」の290年間分を学習しました。

家康の「禁教令」から250年を経た明治の世に、突然「浦上四番崩れ」約4千人を全国に流配し棄教を迫った歴史を、受け入れ側にもその昔はキリシタンが居た筈だから、本当に信者が残って居なかったのか?浦上では旦那寺を放棄する「文書」を庄屋に提出したので「特別扱い」にせざるを得なかったのか?改めて考えさせられました。(金沢は高山右近が26年間も布教に専念した地域だった筈だから。)


竹ノ下磨須子さん

今回初めて参加させていただきました。
絵画修復に携わっているので、宗教画に触れる機会が多く、絵を眼の前にし、「誰が描いたのか?何故描いたのか?時代背景は?」などと思いを巡らせながら作業をしています。長崎県内の宗教画に関与する機会も増え歴史背景など改めて学びたいと思い受講致しました。

さて、楽しみのオプション研修は参加者の温かい雰囲気に心が和らぎ、お菓子の差し入れから始まりました。まずは近江八幡で郷土料理を堪能しました。中でも赤いこんにゃくに目を見張りました。この赤い色はベンガラの色で昔から寺院などの建造物に使われ、日光東照宮など文化財にも使われている塗料なので、食用として活用されていることに驚きでした。

次の安土城跡は遥か山頂にありました。山全体が城郭で、秀吉住居跡などを抜け、長い階段や坂道を踏みしめながら城跡に到着しました。すると一挙に視界が開け、琵琶湖を見渡せる当時の要所であったことが改めて確認出来たのです。私はそこに青い瓦の屋根、絵画で飾った城の幻影を見ました。キリスト教を受け入れ新しい時代を作ろうとした信長公の勢いが甦りました。続いて安土セミナリオ跡を廻りました。ここで学び希望に満ち溢れた輝かしい若者達の姿が現れ、後に長崎で殉教したパウロ三木、アントニオ三箇を思うとき、改めて当時のキリシタン達の運命を考えさせられました。彼らは後に絵や彫刻になり、現在の我々に語り掛けています。金沢では長崎キリシタン殉教の碑を訪れました。現在は市民の憩いの場所になっていますが、華やかな観光地のすぐ近くに、このような歴史を秘めた場所があり、枯葉を踏み分け奥へと進んで行くと徐々に無口になり、浦上四番崩れの足跡を肌に感じました。現地に立ってこそ解る事でした。