企画展示 武文桜監修 群像人形「竹取物語」展

【展示期間】 2024年2月13日(火)~4月12日(金)

創作日本人形「竹取物語」の12場面約80体の人形を展示しています。
展示している人形は、2014年、長崎歴史文化博物館において開催された「武文桜回顧展 竹取物語」展の後、創作日本人形紫桜会より本学へご寄贈いただいたものです。
人形だけでなく、その衣装・小物・背景に至るまで、丁寧に作り込まれた物語の世界をご堪能下さい。

「竹取物語」の世界

日本最古の物語文学とされる「竹取物語」。正確な成立年は不明ですが、10世紀から11世紀頃の作品と推測されています。
子どものいない老夫婦が光る竹の中から女の子を見つけて育てると、その子はみるみるうちに美しい女性へと成長し、5人の貴公子の求婚を無理難題ではねのけ、帝の詔命にも応じず、やがて月へと帰ってしまう……
およそ1000年以上もの時を経た現代においても、子供から大人までを魅了するこの物語は、日本を代表する作品といえるでしょう。

武文桜氏と紫桜会

武文桜(本名・文子)氏は、1926年長崎市生まれ。福岡県にて結婚・子育ての傍ら日本人形の制作を学び、やがて独自の人形創作を始められます。1963年、創作日本人形紫桜会を横浜で設立。<群像人形「竹取物語」>は、紫桜会のメンバー50名あまりと共に1982年に制作されました。
武文桜氏の活動は自身の人形制作だけにとどまらず、「青い目の人形」交流を通した諸外国との国際親善交流や人形修復、講演活動にも尽力されました。
晩年においては2003年の「長崎瓊子」里帰り展への協力や、瓊子の妹人形「鶴子」の制作・寄贈、2007年二度目の「長崎瓊子」里帰り時の着付け直しなど、故郷長崎での活動にも積極的に取り組まれ、2011年逝去されました。

企画展示 世界のクリスマス展

【展示期間】 2023年12月1日(金) ~ 2024年1月12日(金)

カトリックの教会や家庭では、聖書に書かれたキリストの誕生の場面を模した人形を飾る習慣があります。これらの人形は一般に「馬小屋」と呼ばれ、キリスト降誕を祝う日々に欠かせないものとなっています。

本学でも毎年クリスマスが近くなると、学内の様々な場所がこうしたクリスマス飾りで彩られます。中でも博物館では、世界中様々な地域の飾りを一堂に集めた「世界のクリスマス展」を毎年恒例の企画展示としています。
今回の展示では、新収蔵品3点を含む全62点のクリスマス飾りを展示します。

世界20か国のクリスマス飾り

「キリスト降誕」の場面といえば、馬小屋の中のイエス・マリア・ヨゼフの聖家族に三博士、羊飼い、牛とロバ…と、想像されますが、それぞれの人物にどんなイメージを抱くでしょうか。

世界中のあらゆる地域で、その土地の風土に根ざして信仰されているキリスト教。国や文化の違いによって、人形の着ているものや顔かたち、周囲の風景、時には登場する動物まで、それぞれ違う表現方法がなされています。
各地でのお祝いの様子を想像しながら、ぜひ楽しんでご覧いただければ幸いです。

イベントを開催します!

作って飾ろう!オーナメント

昨年のクリスマス展で好評をいただいたオーナメント作りを今年も開催!
木製のオーナメントに色を塗ったり柄を描いたり…あなただけの飾りを作ってツリーに飾りませんか?作ったオーナメントは持ち帰りもOK♪
画材(絵具・マーカー)は博物館でご用意していますので、手ぶらでご参加いただけます。

  • 日時:開館時間中いつでも
  • 場所:博物館
  • 対象:どなたでも
  • 申込:不要です

企画展示 塩月悠個展 みえるこえ、きこえるひと

【展示期間】 2023年10月10日(火)~11月18日(土)

2020年にも博物館で作品展を開催し大好評を得た塩月悠先生の個展を再び開催いたします。
塩月先生は今年で本学在職10年を迎えます。こども教育保育学科で学生への指導を行う傍ら画業を続け、数々の作品を発表してこられました。
今回の展示では、近年制作に取り組まれている「drip」および「land-abstract-scape」シリーズより新作・近作10点あまりを展示しています。この機会にぜひご覧ください。

塩月先生コメント

本展示の狙いは、近年取り組んでいる『drip』、『land abstract scape』シリーズの作品によって、タイトルにある「みえるこえ、きこえるひと」という、言葉では誤りとなる感覚や見えないものを表現する試みである。
拭う・垂らす・消すといった、制作行為の痕跡(プロセスの痕跡)を意図的に残すことや、自然が創り出す「現れ」そのものを提示することで、鑑賞者に目や心での「追制作」を積極的に誘発する狙いがある。
鑑賞者が空間そのものを体感できる展示を目指すとともに、「絵画とは何か」、「みること、えがくこととは何か」という問いを立ててみたい。

関連イベント情報

10月21日(土) 第46回 純心博物館講座「Freed Imagination」

ピアニスト・小國雅香氏によるピアノ演奏(即興演奏を含む)を聞き、作品を鑑賞します。目で見て・音で聴き・自由なこころで考える――新しい発見があるかも知れません。
後援:長崎県教育委員会/長崎市教育委員会、協力:公益財団法人十八親和ふるさと振興基金

イベント詳細はこちら

企画展示 被爆78年 純心と原爆-平和を祈る-

【展示期間】 2023年6月28日(水)~8月31日(木)

長崎に原爆が投下された1945年8月9日、当時の純心は「純心高等女学校」として現在も中学・高校が建つ浦上川のほとりに建っており、13歳~16歳の生徒たちが動員学徒として爆心地にほど近い大橋の三菱長崎造船所第三工場での労働に従事していました。
しかし、原爆により校舎は全焼、生徒・教職員合わせて214名の尊い命がその犠牲となりました。

純女学徒隊

戦中、動員学徒として兵器工場などで働いていた学生たちは、学校ごとに「学徒隊」や「報国隊」と呼ばれるグループを作って作業にあたっており、純心の生徒たちのグループを「純女学徒隊」といいました。
自宅や動員先の工場で被爆し、自らも傷つきながら人々を助け、祈りの内に亡くなった生徒たちの姿は現在も語り継がれています。
純心女子学園では、この「純女学徒隊」をはじめとする原爆被爆者のための慰霊の祈りを、毎年欠かさず行っています。

主な展示資料

  • 小﨑侃「ナガサキ祈りの丘」シリーズ
  • 明坂尚子「花あかり」
  • 校宝 動員学徒の作業服
  • 純女学徒隊・報国隊腕章
  • 原爆瓦 ほか被爆資料
明坂尚子「花あかり」

作者は純心女子高等学校卒業生の染織家(故人)。自身の被爆の体験を元に、かつて原爆で焼けた長崎の大地に生きる草木を染料として鎮魂の祈りを込めた作品を数多く制作されました。

企画展示 キリシタン禁制高札の撤去と近代化

【展示期間】 2023年5月17日(水)~6月17日(土)

キリシタン禁制高札 撤去の前後

今から150年前の1873(明治6)年、日本の各地に掲示されていた「キリシタン禁制の高札」が撤去されました。それまで“邪宗門”と呼ばれ厳しい取り締まりの対象であったキリスト教の信仰が、ついに認められた出来事でした。
信徒発見から浦上四番崩れ、その“旅”から帰郷したキリシタンが始めたカトリックの精神に基づく福祉活動の様子といった、高札撤去前後の浦上キリシタンの動向を紹介しています。
また、ド・ロ神父の指導の下、“旅”から帰った浦上キリシタン・岩永マキを中心に創始された「浦上十字会」の制服も今回初めて展示していますので、この機会にどうぞご覧ください。

近代化する居留地・長崎

1858(安政5)年、アメリカ・オランダ・ロシア・イギリス・フランスとの修好通商条約が締結されると、外国人専用の居留地が造成され、再び多くの外国人が行き交う町となった長崎。
明治という文明開化の激動の時代、欧米の風が流入し徐々に近代化する居留地・長崎の町の様子が垣間見える資料を展示しています。

主な展示資料

  • 山下南風「東山手風景」ほか9点
  • 信徒発見を知らせる「プティジャン司教書簡(エリア写本)」
  • 浦上十字会制服
  • 栗岡家画帖・芳名録
  • 二枝鼈甲美術店製「ロシア人向けシガレットケース」

企画展示 新収蔵品と長崎のやきもの展

【展示期間】 2023年2月13日(月)~4月28日(金)

長崎の伝統工芸品としての陶磁器

古くから国内外の多くの人と物が行き交った長崎の各地では、様々な文化・思想・技術が融合し、ものづくりが発展してきました。「長崎の工芸品」というとガラス製品やべっ甲細工のイメージが先行しがちですが、陶磁器(やきもの)もまた長崎の伝統工芸品のひとつです。
今回は、三川内焼・亀山焼・現川焼・波佐見焼・長与焼(※復元)の5種に絞り展示しました。また、2018年に廃業・解体された料亭富貴楼で使用されていた卓袱料理用食器一式も公開しています。
今もなお国内外で賞美される長崎のやきものを、ぜひじっくりとご鑑賞ください。

新収蔵品・梶川清彦作品

壁面には長崎ゆかりの作家・梶川清彦氏の版画と油彩画を展示しています。
梶川氏は1933年長崎市生まれ。独学で油絵と版画を始め、長崎市役所に勤務する傍ら「日曜画家」として絵筆を握りました。1991年居留地をはじめとする長崎の風景を描いた自らの作品を絵葉書として出版する「絵はがき屋」の版元兼絵師として独立し、多数の作品を発表されました。2019年逝去。
展示作品11点の内10点は、梶川氏のご遺族よりご寄贈を受け、2022年度の新収蔵品として本学博物館に収蔵させていただくこととなりました。
やきものと併せて、長崎の風景を美しく切り取った作品の数々もこの機会にどうぞご覧ください。

主な展示資料

  • 梶川清彦「長崎港暮色」《新収蔵品》
  • 平戸焼染付花鳥図竹型蓋付水指《新収蔵品》
  • 長崎亀山焼木下逸雲染付酒瓶
  • 現川焼藻蛤絵片身替刷毛目向付
  • 富貴楼使用卓袱料理用食器一式