【講演要旨】
1970年、岡本良知・高見沢忠雄両氏によって南蛮屏風は初めて体系化され(『南蛮屏風』鹿島出版会)、2007年、『南蛮屏風集成』(坂本満監修、中央公論美術出版)では、作例数も91点に達した。先の全集では屏風絵作家の帰属と編年を念頭に置いて作品群が分類されたのに対し、後者では、泉万理の優れた研究に基づき、描かれた景の表す「場」に従って作例が編成されている。
それも一つの卓見だが、年代や作家の比定とは別に、これらの作品群の多くに繰り返し登場するいくつかの特定のイメージに注目すると、主題が同じ作例間であっても顕著な表現の差異が見られる。
今回は、上陸したカピタンを迎える修道士たちとの「出会い」場面を中心に、差異が示唆する作品間の図像の授受関係を考察する。
日時 | 2019年8月3日(土)10:00~11:30 |
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場所 |
純心女子学園 江角記念館 (長崎市文教町13-15・純心女子高等学校内)会場案内 ![]() |
講師 |
辻 成史(大阪大学名誉教授)
【講師略歴】
東京生まれ、プリンストン大学大学院美術考古学科で博士号を取得(専門はビザンティン美術)、1985年フルブライト上級研究員、1991-95年「トルコ共和国地中海沿岸の古代・中世湾岸都市とその建築・美術の調査」(文部省)代表、2008年以降、ハイデルベルク大学、ナショナル・ギャラリー高等美術研究所などの客員研究員。その後、清泉女子大学、大阪大学、金沢美術工芸大学、大手前大学で教授職を歴任。父、辻壮一氏(音楽史)は、生月のオラショを再発見した皆川達夫氏の指導教授。 |
受講料 | 無料 |
受講申込 |
申込不要
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お問い合せ先 |
長崎純心大学人文学部 浅野ひとみ研究室
TEL 095-846-0084(代) |