第38回 純心英語教育公開講座「入試が変わらなければ日本の英語教育は変わらない -TEAP開発の意味ー」

長崎純心大学英語情報学科 学科長 畠山 均

 グローバル化が進む日本では、「英語を学習すれば将来好きな仕事につくことに役立つ」と考える中学生は、国立教育政策研究所の最近の調査によると増えています。しかしながら、日本青少年研究所などの調査では、もし可能ならば留学をしたいと考える高校生は40%そこそこに過ぎず、韓国や中国など他のアジア諸国の高校生よりも消極的であることがわかります。また、この数値は過半数を超えている米国の高校生よりも低い数値です。さらにそれ以上に問題と思われることは、TOEFLなどの世界共通英語力テストの成績結果において、日本はアジア諸国の間でほぼ最下位状態が続いています。ことに、スピーキングとライティングという自己表現にかかわる英語力、そしてリスニングとスピーキングのように音声がかかわる英語力において明らかな不振が見られます。

 このような状況の中で、「英語教育をいくら変えても結局は入試が変わらないから…」という声がよく聞かれます。併せて、前述の国立教育政策研究所の調査では「英語を学習すれば入試に役立つ」と考えている中学生が増えていることからも、「日本における入試やテストのあり方が日本人の英語に対する姿勢や最終的な英語力の形成に重大なカギを握っている」と考えられます。

 では、どのような入試やテストの改革が、コミュニケーション英語を目標とする今の日本の教育において、必要なのでしょうか?また可能なのでしょうか?この課題にいち早く取り組まれ、具体的に大学入試レベルでTEAP(Test of English for Academic Purposes)の開発に携わられた上智大学言語教育研究センター長・教授の吉田研作教授に、このテストの背景・趣旨と特徴・概要について語っていただきます。それを通して、小学校から中学、高等学校までの学習指導要領が本来目指しているゴールについての理解を深め、英語教育の在り方を再認識できる機会としていただければ幸いです。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

日 時 平成26年11月8日(土) 13:30~15:00(受付開始 13:00)
場 所 出島交流会館(長崎市出島町2-11) 会場案内新しいウィンドウで開く
2階研修室
講 演 入試が変わらなければ日本の英語教育は変わらない
-TEAP開発の意味ー
講 師 吉田 研作(上智大学言語教育研究センター長・教授)

1948年京都生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業。同大学大学院言語学専攻修士課程修了。ミシガン大学大学院博士課程修了。現在、上智大学言語教育研究センター長・教授を務める。英語教育、バイリンガリズム、異文化間コミュニケーション教育の第一人者。文部科学省などの外国語教育に関する各委員会にも携わり、英語が使える日本人の育成に関する研究、活動を行っている。
定 員 100名
受講料 無料
受講申込 事前申込不要

当日会場へお越しください。

お問い合せ先 長崎純心大学 言語文化センター

〒852-8558 長崎市三ツ山町235番地
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FAX 095-849-1894
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