終了しました1月25日(土)

第14回 日本語教育公開講座「なぜ『1時から5時に働いた』と言えないの?」

人はモノの物理的な形(数学の用語では「位相」)に囲まれて生活をしている。このモノの形は自然言語の成り立ちに影響を及ぼしていると考えられる。

たとえば、時間そのものには形がないが、日本語では「1時から5時まで働いた」のように、もともと区間を表す「AからBまで(行く)」を利用して時間を表現する。

しかし、それならば、「AからBに(行く)」を時間表現に用いて「1時から5時に働いた」と言ってもよさそうなものだが、実際はだめである。一体、どのような理由が裏にあるのだろうか。

本講座では、人が環境に同調する(attune)ことで情報を獲得し、その情報をことばを編み出す際に利用してきた(可能性がある)ことを取り上げる。具体的には、日本語(と英語)の「時間に関する表現」を中心に、さまざまな面白い言語現象を解説する。

日時 2020年1月25日(土)14時~16時(13時30分 開場)
場所 純心女子学園 江角記念館(長崎市文教町・純心女子高校内)会場案内新しいウィンドウで開く
※駐車場はございませんので公共交通機関をご利用ください。
講師 今仁 生美
(名古屋学院大学 外国語学部 教授)

専門は言語学(意味論)。主に、日本語の否定や場所の後置詞などの意味に関する研究を行う。
大阪外国語大学ロシア語学科を卒業し、京都大学大学院文学研究科言語学専攻修士課程を経て、京都大学大学院文学研究科言語学専攻博士後期課程を修了した(単位取得満期退学)。同年に名古屋学院大学に就任し、現在に至る。名古屋学院大学外国語学部英米語学科教授および名古屋学院大学総合研究所長。
<主な著書・論文>
主要業績:『意味と文脈』(金水敏・今仁生美,岩波書店,2000).「否定の諸相」意味論講座第一巻「語・文と文法カテゴリーの意味」(ひつじ書房.69- 89. 2012).「英語における場所の前置詞ー認知言語学と位相空間論の接点を求めて」(『場面と主体性・主観性』,澤田治美・仁田義雄・山梨正明(編),ひつじ書房,2019).「より、ほど、くらいの極性について」(『極性表現の構造・意味・機能』(澤田・岸本・今仁編)180- 205.開拓社,2019).❝Negation❞(Handbook of Japanese Semantics and Pragmatics,ed.By W.Jacobsen and Y.Takubo,De Gruyter Mouton,to appear)など.
受講料 無料
受講申込 事前申込不要

 当日会場へお越しください。

主催 長崎純心大学 国際交流センター・日本語教員養成コース
お問い合せ先 長崎純心大学 国際交流センター

TEL 095-846-0084(代)
FAX 095-849-0470
E-mail gengo@n-junshin.ac.jp

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