2020.02.28医療・福祉連携センター

島原市地域包括ケアシステム調査研究を実施しました(2020/02/19~21)

2月19日(火)から21日(金)まで、本センターでは下記スケジュールで島原市における地域包括ケアシステム調査研究を実施しました。調査研究には、本センターの奥村助教と地域包括支援学科1年1人、2年2人、3年3人の学生計6人が参加しました。

1日目は下川尻ふれあいサロンに参加し、職員の方々の消費者被害防止の講話・寸劇の見学と、学生主導のレクリエーションを実施し、学生達は楽しみながら地域住民の方々との交流を深めることができました。午後は、島原市地域包括支援センターで実施されている各種の会議についてのレクチャーをしていただき、実際に「地域ケア会議」「在宅医療・介護連携検討委員会」にも同席し、行政関係者、医療・介護従事者、地域の代表の方々の多職種連携の一端について学ぶことができました。

2日目は「池田病院」と「デイサービスセンターしまばら」に訪問し、「池田病院」では本学卒業生で現在MSWとして活躍している先輩達に、MSWの業務内容に関するレクチャーをしていただき、また、「デイサービスセンターしまばら」では、施設内の見学をさせていただきました。午後は、「島原市成年後見制度利用促進に関する中核機関の設置事前説明会兼意見交換会」に参加し、島原市では、成年後見制度利用促進を図るために中核機関の設置を進めていることが分かりました。

3日目午前は一般介護予防事業についてのレクチャーがあり、島原市では多岐に渡る一般介護予防事業が展開されていること、一般介護予防事業の取り組みのひとつである「貯筋教室」にも参加させていただき、多くの住民の方々が体力づくりに励み、地域包括ケアシステムの重要な要素である自助に関する学びを深めることができました。午後は、「島原市高齢者等見守りネットワーク協議会第2回全体会議」に出席し、島原市では、「さりげない見守り」をコンセプトに様々な関係者と協力しながら地域の見守り活動を展開していることが分かりました。最後に、学生達は本調査研究における感想を述べ、今回の調査研究を通して現場の実践について学びを深め、これからの大学生活により前向きに取り組んでいきたいという学びの意欲が高められたと話していました。

なお、調査研究の概要は、既に本センターFACEBOOKに掲載しておりますので、ご参照ください。

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日程

日時 内容
2月19日
(水)
10:00~12:30 消費者被害対策事業:下川尻ふれあいサロン
・消費者被害防止の講話・寸劇
・レクリエーション(学生主導で実施)
13:00~15:00 レクチャー
・ケア会議(地域ケア会議、小地域、自立支援、個別等)
「島原市高齢者等見守りネットワーク」
・在宅医療・介護相談センターの取り組み
15:00~17:00 島原市地域ケア会議
19:00~21:00 「第2回在宅医療・介護連携検討委員会」傍聴
2月20日
(木)
10:00~12:00 介護サービス事業所
・医療法人社団東洋会 池田病院(通所リハビリテーション)
・NPOしまばら デイサービスセンターしまばら
13:15~13:45 ・「島原市成年後見制度利用促進に関する中核機関の設置事前説明会兼意見交換会」参加
・交通事故現場の診断会 (終了後、中核機関説明会へ参加)
2月21日
(金)
9:30~10:30 レクチャー
一般介護予防教室について
10:30~12:00 一般介護予防教室
・貯筋教室(島原市福祉センター)
13:00~14:00 レクチャー
・島原市高齢者等見守りネットワーク協議会について
15:00~17:00 島原市高齢者等見守りネットワーク協議会第2回全体会議
17:30~19:30 島原市高齢者等見守りネットワーク協議会交流会

学生の感想

  • 地域包括支援学科3年 青木わかな

4日間の研修を通して、フォーマルとインフォーマルの連携の大切さを感じ学ぶことができた。様々な機関に訪問させていただき、事業所とセンターとの連携について知ることができた。また、交通事故現場診断会に参加した時、そこでも専門職と地域の関係者が連携していて驚いた。自治会は高齢者の立場で、警察は安全を第一に考えていて、様々な視点から話し合い連携し合って解決策を考えるから、事故も防ぐことができると思い、連携の大切さを感じた。また、おかえりSOSネットワークでは、QRコードを使った見守り支援等を行っていて、島原市は先駆的に支援が進んでいることや、全体会議や交流会で、フォーマルとインフォーマルがどのように連携して見守り支援を行っているのか学ぶことができた。4日間の研修で学んだことをこれからの講義に生かしていきたい。

  • 地域包括支援学科3年 濱崎友絵

今回の実習では、島原市が力を入れている見守りネットワークに対しての、島原市地域包括支援センターや行政、住民の方々の団結力の強さを感じた。その団結力は、他の地域にない強みだと思う。また、3年になり知識も増えた私にとって専門職という視点が強くなっていたため、今回の1、2年生の意見は貴重に感じた。知識が少ないからこそ見える視点も忘れてはならないと初心に帰ることのできた実習でもあった。最後に、今回の実習にあたって、受け入れて下さった島原市地域包括支援センターの皆さん、ありがとうございました。

  • 地域包括支援学科3年 本田彩華

私は、専門職だけが地域を支えているのではないことを知り、地域住民やコンビニ店員、タクシー運転手などの地域に近い存在の職種の協力もあって地域は支えられているということを学ぶことができました。また、児童にも障害にも高齢者にも全てにつながるものがあると感じました。一つの分野に特化しすぎるのではなく、幅広い分野を理解していくことがより良い支援を展開することにつながることもあるのではないかと思いました。

  • 地域包括支援学科2年 古賀 大稚

今回の調査研究では、島原市の地域包括支援センターで、どのような業務をしているのかを知ることにより、島原市の地域包括支援システムについて触れることができたと思う。島原市では他の市と比べて先駆けて行っていることが多く、他の市も島原市のシステムを参考にして展開をしていることがあるとの事であった。他にも地域住民同士の繋がりの強さや見守りネットワークの構築へ向けて島原市全体で連携・協力をして進めているのを感じた。

  • 地域包括支援学科2年 山中 聖奈

今回島原研修で、地域ケア会議や検討委員会など、普段見ることのできない専門職同士の討論会に参加し、新たな学びを多く得ることができました。私はよく『多職種連携』という言葉を使ってきました。言うことはとても簡単なことですが、実際に多職種同士意見を出し合い、多方面からの意見を踏まえたうえでCLにとって最適な支援は何か考えることの難しさを、ケア会議を通して感じました。
今回の研修では、病院を見学する機会をいただけました。私はMSWを目指しています。病院で働く専門職やMSWの業務内容を聞いたり、間近で見ることができ、良き体験になりましたし、以前よりもMSWに対する思いが強くなりました。理想とするMSWに近づけるよう日々勉学に励みたいと思います。
大学の講義だけでは、実際に行われている会議などを見ることができず、浅い学びで終わってしまうと思います。今回研修に参加したことで、知識が増え、また自分にはまだまだ足りないものが沢山あると、自身を見直すいい機会になりました。参加して本当に良かったと思います。

  • 地域包括支援学科1年 藤田 仁也

今回の島原市福祉包括支援センターへの実習で、島原市の抱える地域課題とその政策について学ぶことができました。
現在島原市は人口の3分の1以上が高齢者で、県内でも特に多い地域です。そのため、地域包括支援センターは独自の高齢者への政策をしています。特に在宅医療の分野では、全国的にみて進んでおり、高齢者への政策に強い関心を持っています。
今回私は、島原市の取り組みの中のサロンや活動を体験させて頂きました。どの活動へ参加しても、明るい方ばかりで島原市の活気を肌で感じる事ができました。
他にも、見守り活動やQRコードを用いた見守り活動など、先進的な地域一体となって支えていく福祉構造を見る事ができました。
高齢者の問題は、日本全国規模で予想される出来事であるため、島原市の活動はモデルケースになり得るのではないかと思います。
このような先進的な活動を肌身で感じ、実際に講話していただける今回の実習はとても有意義で、今後に繋がるものだと感じました。

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