2018.10.19文化コミュニケーション学科

[文化コミュニケーション学科]卒業生からの手紙

かつてのゼミ生の門畑悦子さんから嬉しい手紙をもらいました。文化コミュニケーション学科にもぜひとも引き継がれてほしい一番良質なものがそこには息づいているような気がします。在学生にも、そして将来文化コミュニケーション学科に入学しようとしている高校生にも、読んでもらう価値があると思い、本人や関係者に承諾を得たうえで、ここに転載させていただきます。

比較文化学科・文化コミュニケーション学科
教授 小林 勝

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小林先生

 ご無沙汰しております。今年は暑かったですね。今日から娘達は新学期、やっと夏休みが終わりました…。大学は10月からでしたね。新学期、下界と違い、だいぶ涼しかったのを思い出されます。

 以前ご報告しておりました、月に一度の子ども達への歴史教室、無事に月に一度、開催させて頂いております。中間報告です。

 南島原市で開催されている小学~中学生対象の「寺子屋21」という事業のなかで、有馬のセミナリヨ時代の古楽全般を学ぶ「セミナリヨ音楽教室クラブ」という講座のお手伝いをさせて頂いております。音楽教室が月に二回、二時間開催されているのですが、その中で月に一度、歴史の時間を担当しています。主催の音楽の先生も、純心の先輩ということで、純心タッグ!ここもご縁を感じています。

 進め方としては、みんなで机を囲んで、私が色々な資料や歴史資料の写真を広げて、それを子ども達が直に手に取って見ながら、私がメインでお話しするけど、子ども達や音楽の先生から何か言葉が出たら、それを拾って、そのままみんなで語り合うようなスタイルを取っています。4名ほどの可愛く賢い女の子達と、地元の歴史を中心に語り合う、私にとっても、とても楽しい時間です。「子ども達に一方通行じゃなくて、子ども達にも自発的に言葉を出してもらえるような、面白かったら笑ってくれて、何か不思議だったらすぐ質問してくれるような、私も子ども達も対等な立場で、自然に自発的に参加してもらえるような雰囲気」という、私の理想に賛同し良く理解してくださる、音楽の先生のおかげで、フリーランスゲリラ学芸員、のびのびと活動させて頂いております。

 手作り手書きの資料や、家にある図録や書籍を持参し、これは南島原市で宣教師が書いた本だよ、とか、多少難しいものでも、子ども達がわかるような内容を抜粋して紹介すると、面白がって聞いてくれます。先日は書籍『ヴァリニャーノ日本巡察記』を持って行って、有馬のセミナリヨの事がここに書いてあるんだよと、その部分をみんなで眺めてみたり、宣教師達がローマに送ったイエズス会日本報告集の歴史資料写真を見せた後、日本語訳されているものを「今こうやって出版されてるよ」「研究者の人はこれ使ってるよ」と紹介したり、本当に好き放題させて頂いております。先日は、ローマ法王の前での天正遣欧使節のスピーチの再現音声を皆で聞いたりもしました。

 7月は、うちの市にある原城が世界遺産に決定したということで、時の話題「世界遺産」に触れなければいけないだろう、という事で、「世界遺産」そのものについてのトークタイムにしました。世界遺産とはなんぞや、という所から、世界の世界遺産、日本の世界遺産を紹介して、そのリストに載ったんだよ、大切に継承していきましょうという遺産として認められたんだよ、という流れから、持参したバチカンのガイドブックやピラミッドの飛び出す絵本、るるぶパリなど、あれこれ旅行本に公式遺産ガイドブックを、子ども達とパラパラめくりながら、凱旋門やエッフェル塔などなど、有名な遺産を見て、これ知ってる!という子ども達に、それもこれも世界遺産だよと言ったら驚いていました。今学んでいる地域のキリシタン史にかかわる世界の遺跡も、世界遺産になっているよという事で、世界と歴史と、この田舎町の繋がりをみんなで確認してみたり、日本の世界遺産マップなんかも、「こんなにあるの?」とみんなびっくりしつつ、親御さんの故郷の遺産や、テレビで見たことある!という遺産を見つけては色んな話を聞かせてくれました。

 博物館や学芸員の勉強をした私が子ども達に伝えられる事は、とにかく資料をたくさん見てもらうこと、全国から世界に散らばる色んな歴史資料の存在を知ってもらうこと、そして、歴史を文章だけじゃなくて「物」を見て、リアルにイメージして、感覚的にも深めてもらうことだと思っています。もうだいぶブランクがあるので、まだまだな所もありますが、あれこれ資料写真を集めながら、企画展の企画書を作るような感覚で、子ども達にミュージアム体験を!などと、1人でとんでもないスローガンを掲げつつ毎回準備しています。大学時代や、歴史の仕事をしていた頃に大勢の方々に教えて頂いたことを全部総動員して、これからも頑張っていこうと思います。

 9月で一旦前期が終了し、10月から後期がスタートします。また来月分以降の企画展準備(笑)にかかろうと思います。いつか子ども達と一緒に大学博物館にも行きたいなあなんて夢見たりもしています!

 さて、この夏は、もう一つ博物館との再会がありました。

 私は大学4年生の時に、江戸東京博物館の博物館実習に参加したのですが、その時の担当の先生とは今でも年賀状のお付き合いをさせて頂いておりまして、独身の時は何度か会いに行っていたのですが、7月に結婚出産以来約15年振りくらいに、今ご勤務の名古屋の徳川美術館に会いに行ってきました。約20年前のたった10日間の教え子なのに、こうやって今でも色々教えて下さって、恐れ多くも館内の展示解説もして下さって、純大が推薦して下さってからの貴重なご縁、本当に大学には貴重な経験をたくさんさせて頂いて、ありがたいなあと感謝ばかりです。ですがですが、あー大きな博物館で、バイトで良いから業務は何でも良いから働きたかったなーという、もうすっかり諦めていた夢が再発してしまい、しばらく情緒不安定でした(笑)。結婚せずに都会に出れば良かったー!どうせあの頃もバイト生活で極貧一人暮らししてたんだから、どこに行ってもどうにかなってたはず!などと、結婚式でスピーチして下さった小林先生にもとんでもなく失礼な事を考えてしまっておりました…。あと家族にも(笑)。娘達にはそんな思いをさせないようにしっかり育てようと思います。あと、この情熱を子ども歴史教室に全部捧げて振り切ろうと思います…。

 長くなり申し訳ありません。今年はぼちぼち「学芸員」にご縁を頂いて、ありがたいなあと思っているところです。メインのルーシーダットン(タイ式ヨガ)講師の方も、エクササイズやダイエット講座も依頼されるようになったので、どっちも疎かにならないように、年齢と相談しながら頑張っていこうと思います。

 では、またそのうち、またお会い出来たら嬉しいです。またそのうち大学に行かせてください!学芸員や博物館のお話しも伺いたいです。

 写真もいくつか送ります。みんな本当に可愛いです。

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門畑 悦子(かどはた えつこ) 

長崎純心大学 比較文化学科 第三期生

これまで長崎市立博物館、雲仙ビードロ美術館、長崎放送株式会社50周年社史編纂室・ライブラリー部などに勤務。現在は、ルーシーダットン(タイ式ヨガ)やボディワークのインストラクター、ダイエットアドバイザーでとしてレッスンを開催する傍ら、月に一度、子どもたちに地域の歴史を教えるワークショップを担当。