2025.11.14福祉・心理学科

長崎地域医療セミナー in GOTOが開催されました(地域包括支援実習)(2025/8/24~26)

福祉・心理学科の基幹科目である「地域包括支援実習」の一環として「第13回長崎地域医療セミナーin GOTO」が2025年8月24日(日)から26日(火)までの3日間、長崎県五島市にて開催されました。

1日目は講義や事例検討、2日目は五島市の各地でフィールドワーク、3日目は講義、フィールドワークと事例検討のまとめ、発表を行いました。

活動内容①講義

大学教員や医師、医療ソーシャルワーカー、五島市の行政の方々、住民代表の方々による、五島の人口構成や医療の現状、まちづくりなどに関する講義が行われました。

特に、五島市では医療資源が限られている中で、より多くの方が医療を受けることができるように、モバイルカー、ドローン、送迎サービスを積極的に活用していることや、医療介護専用コミュニケーションツール(MCS)による多職種連携の円滑化、介護者の負担を軽減するノーリフトケア、AIの導入などによって福祉・医療の人材不足への対応をしていることなどを学びました。

活動内容②五島市でのフィールドワーク

フィールドワークは複数グループに分かれて様々な地区を訪れました。場所は、事前に参加学生がSA(スチューデントアシスタント)・教員と相談しながら計画し、病院・診療所、福祉施設のほかに、海水浴場や教会、ドローンを活用する会社など様々な場所を見学しました。

地域住人の方々とコミュニケーションをとり、住人の方の思いやくらしを知る貴重な経験ができたようです。また、実際に五島の地を歩くことによって、地形や交通状況などから学生はさまざまな気づきを得ることができ、地域の強みや課題について考えを深めることができました。

フィールドワークは五島の綺麗な景色や海、グルメも楽しみながら行われました。

活動内容③事例検討

事例検討では、医学部生と福祉・心理学科の学生たちが、医療・福祉・心理の側面から意見を出しあい、クライエントの強みや課題、ニーズを考え、それらを踏まえて支援や治療のプランを考えていきました。学生たちは、互いの考えを伝えあうことで、医療や福祉、心理の視点の違いや共通性を感じ、多職種連携について学びを深めました。

参加した学生の感想

  • 講義で最も印象に残った学びは、五島市のような離島では遠隔医療の実施が進んでおり、モバイルクリニックや、ドローンでの医薬品配達、MR技術を用いた遠隔医療などが行われるようになってきていることである。離島のような過疎地域は資源が不足しているという印象があったが、限られた資源の中でできる限りの事をしたり、新しい技術を用いたりして医療を受けたくても受けられない人に届けているのだと考えた。
  • 五島を訪れないと分からないような自然や人の暖かさなど離島の良さを実感でき、セミナーに参加してよかったと心から思えた3日間だった。その中でも講義では五島が抱える課題も知って、いつか長崎市など都市部でも起こりうるであろう人口減少などの問題も挙げられており、我が事として捉えておかなくてはならないと感じた。今回学んだことを今後の事例検討や現場での業務に活かしていきたいと思った。
  • フィールドワークでは、実際に地域の現場を見たり、行政や医療関係者の方々から直接お話を伺ったりすることで、講義で得た知識が現実の地域課題として実感を伴って理解できた。特に、医療だけでなく福祉や地域づくりとの連携の必要性を強く感じた。グループワークや発表では、他の参加者と意見を交換しながら事例を検討することで、自分一人では思いつかない視点を得ることができた。また、自分の考えを他者にわかりやすく伝える力や、協働してまとめ上げる力の重要性も学んだ。3日間を通して、地域医療のやりがいや難しさを肌で感じるとともに、離島の良さや、離島ならではの学びを得ることができた。この貴重な3日間を、今後の進路や実習に活かしていきたいと考えた。