2022.04.19大学からのお知らせ

学長メッセージ「知恵のみちを歩み 人と世界に奉仕する」ことを願って

新入生へのオリエンテーションも終わり、キャンパスにはテキストを抱え、あるいは新緑の庭で昼食後の会話を楽しむグループの姿が新しい学生生活が始まったことを告げています。

2年以上続く新型コロナウイルス感染症は、引いては寄せる海辺の波のように感染者の増減を繰り返し、ワクチン接種が重症化を防いでいるようではありますが、まだ終息の兆しは見えていません。加えて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が深刻な結果をもたらすニュースに心が痛み、動揺を禁じえない日々を過ごしています。

1981年訪日した教皇ヨハネ・パウロ2世が広島で世界に向けて発した「平和アピール」の祈りの声が響きます。「戦争は人間のしざわです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です」と。「広島と長崎は、《人間は信じられないほどの破壊ができる》ということの証」であるとも。そして、「神よ、私の声を聞いてください!」とたくさんの祈りを捧げました。ウクライナの苦しむ人々を思いながら、40年後の今も同じ訴えをしなければならない悲しさがありますが、祈りは続いています。

この時代だからこそ、私たちは、「知恵のみちを歩み 人と世界に奉仕する」本学のモットーを学びの力にしたいと思います。一月前に社会に出た卒業生たちは、社会福祉士、介護士、幼稚園・保育園教諭、小学校教員、公務員、企業社員、大学院生などとして、また9月の公認心理師国家試験受験生として、各自、選んだ道を希望に顔を輝かせて歩みだしました。それぞれに「知恵のみちを歩み 人と世界に奉仕する」ことを目指して、「マリア様 いやなことは私がよろこんで」の精神を発揮していると信じます。

今年度は、引き続きコロナウイルス感染防止に努めながら、対面授業を原則とします。学生の皆さんにとって、キャンパスは貴重な学びの場、時間だからです。図書館の本を通して、講義、級友や先生方との語らい、部活などでの先輩・後輩との出会いなど、キャンパスでの生活の中で、生涯の支えとなる友人、心の糧、探求心、思い出がつくられ、学生時代ならではの体験が積まれて行きます。

また、今年度は本学が全学科を男女共学として4年目、完成年度となります。男子学生の新たな就職先の開拓をはじめ、4年生の就職活動をさらに支援していきたいと思います。

さらにコロナ禍の中で落ち着かない学修環境に置かれていた日々を補えるよう、「教育の質の保障」、つまり、学生の皆さんの学びを深めることを目指す大学でありたいと願っています。コロナ禍の中で培ったオンライン授業の良い点は生かしながらも、キャンパスでの出会いの中で質の高い学修ができる大学生活を送っていただきたいと心から願っています。

2022年4月19日
長崎純心大学長 片岡 瑠美子