2025.04.22大学からのお知らせ

教皇フランシスコの逝去に際して

去る4月21日(月)14時35分(ローマ現地時間同日7時35分)、教皇フランシスコは、88年にわたる生涯を終え父なる神の元に召されました。

教皇は全生涯を、慈しみと愛をもって神と教会への奉仕に捧げられました。とくに最も貧しい人、最も疎外された人に寄り添い、キリストの普遍的愛の模範を私たちに示してくださいました。教皇の牧者としての力強い導きに深甚なる敬意を表し、衷心よりお悔やみを申し上げます。

2019年11月、38年ぶりの教皇来日は、日本のカトリック教会にとって大きな喜び、希望となりました。24日午前、教皇が長崎訪問の初めに向かった松山町の爆心地公園で訴えた、核なき世界の実現を目指す力強いメッセージが今も心に響いています。

「核兵器のない世界は可能であり必要であると確信している。核の理論によって促される恐れ、不信、敵意の増幅を止めなければならない。」

その日の午後、松山町のビッグNスタジアムで行われた教皇ミサでは、本学の多くの学生、教職員がボランティアとして協力しました。朝から降りしきる大雨の中、ボランティアの学生・教職員は精一杯の歓迎の心で教皇の到着を待ちわびました。教皇が到着し、ミサが始まる頃には午前中の大雨が徐々に止み、青天の下でミサが執り行われたことは、奇跡としか言いようのない体験となりました。教皇の温かな笑顔と言葉が参列者の心に深く刻まれました。

教皇は「核兵器廃絶による平和の確立」と「誰一人取り残されることなくすべてのいのちを守ること」の重要性を、長崎から世界へと発信しました。「カトリシズム」の建学の精神に基づく教育を行う本学も、教皇と共に核兵器廃絶による世界平和の実現といのちの尊厳を、世界と次世代に伝えていきたいと思います。

教皇フランシスコが父なる神の元で安らかに憩われますよう、学生と教職員一同、心よりお祈り申し上げます。

2025年4月22日
学長 坂本久美子