2025.05.30福祉・心理学科

外部講師(川平町自治会長)による講義が行われました(ソーシャルワーク演習Ⅳ)(2025/5/21)

5月21日(水)、長崎市川平町自治会長の松本幸一様を迎え、「地域を共に支え共に生きるということ」というテーマで講義を行っていただきました。

松本自治会長による講義を通じて、川平町の人口特性や世帯状況、自治会の主な活動について理解を深めました。地域の人々のつながりを作るために行われている活動の背景についても知ることができ、将来も安心して住み続けられるコミュニティをどのように形成するのかについて考える機会となりました。

松本自治会長様、お話をお聞かせいただきありがとうございました。

学生の感想

  • 川平町自治会は認定者区分で軽度者の認定が多いこと、独居世帯や高齢者夫婦が多いこと、さらに近くに介護施設や病院等がないことから地域住民が支え合えるようなまちを目指すことが大切であると感じた。川平町自治会ではそのようなまちを目指し、様々な活動を行っていた。特に印象深いのは高齢者ふれあいサロンを月に3回行っているという点である。他の自治体に比べて回数が多いことから、集いの場を求める高齢者が多いことがうかがえる。また市民大清掃に参加する住民が多いということは地域に関心を持っている人が多いといえる。地域住民が支え合えるまちづくりの実現には住民同士が繋がろうとする気持ちや地域に関心を持つことが大切であるため、地域の強みといえるのではないかと感じた。さらにリサイクル推進員の活動や週一回の移動販売車の導入など、地域の中で生じたニーズを地域で解決できるような仕組みが構築されていると感じた。
  • 川平町の自治会活動は非常に活発であり、地域の結束力の強さを感じた。たとえば、防災マップや支えあいマップの作成は、住民同士の協力と連携があってこそ成し遂げられる成果である。これらの取り組みは、災害時や日常の生活支援において極めて有効であり、住民の安心感に寄与しているといえる。さらに、リサイクル推進員によるごみ出し支援や草刈りといった日常的な支援活動、介護者の相談相手や傾聴、敬老会やサロンへの誘いなど、高齢者の孤立を防ぐための働きかけが行われている点も注目すべきである。特に、回覧板を渡す際の声掛けなど、些細な行為に見えて実は非常に大きな意味を持つ対人接触を大切にしていることは、地域コミュニティの強みといえる。介護サービスだけでは対応しきれない生活支援を、顔の見える関係のなかで自治会が補っている姿は、今後の地域包括ケアシステムの一つのモデルケースとして参考にしていきたい。行政による支援と、地域住民同士の助け合いのバランスをどう築いていくかが、今後の重要な課題となると今回の話を聞いて考えた。
  • 川平町の地域課題として、公共の施設(コンビニやスーパー、病院など)がないことや道路の幅が狭いこと、横断歩道に信号機が少ないこと、子どもの数が減少していることなどさまざまなことがあげられる。特に高齢者が多い川平町では、買い物に行くことが難しい人が多い。移動販売車を依頼するにも、最低限の利益がないと来てもらうことが難しい。そのため、他の自治会の人と協力して移動販売車の利用を開始し簡単に、買い物が行えるようにした。このように、自治会では地域の人たちが住みやすく自分たちらしく暮らせるように多くのことを考え実施している。お金がかかる活動や支援を実行することが難しい中で最大限の支援が行えるように自治会の役員同士や市役所の職員と話し合いをしていることを理解した。講話の中で社会資源や川平町の地域課題について知ることができた。これらをまとめてフィールドワークで理解したことと合わせて理解を深めていきたいと思った。

担当教員:大杉・飛永・松永・福田・鹿山