2025.07.25福祉・心理学科

授業で「傾聴ロールプレイ」を行いました(地域包括支援論A)

福祉・心理学科、1年次必修科目の「地域包括支援論A」の授業で「傾聴ロールプレイ」を行いました。

「傾聴」とは、「相手の話に関心を持って、熱心に耳を傾けること」「話の内容だけでなく、その話に伴う相手の感情や思いまでも理解しようとする積極的な聴き方」です。福祉や心理の専門職として必要なスキルであることはもちろん、友人や家族をはじめとする日常生活の対人関係においてもとても大切です。

そこで今回の授業では、実際に「傾聴」を体験してみること、そして自分の普段の「聴き方」を振り返ることをねらいとしました。

最初にペアワークを行い、「本を読みながら、できるだけ反応を示さずに話を聞く」方法と「あいづちや頷きなどの反応を示しながら話を聞く」方法を体験しました。

ペアやグループになって2つの聴き方を体験した感想を共有し、「どのような反応や質問があれば会話がしやすくなるか」というテーマで意見交換を行いました。

その後、教員から「傾聴」や質問のスキルについて説明を行い、お互いの「好きなこと・はまっていること」をテーマとして話す中で、傾聴や質問のスキルを使う体験をしてみました。

ペアワークやロールプレイでは、いざ実践しようとすると「傾聴」が想像よりも難しいことや、ちょっとした態度や反応の違いで話し手の体験が異なること、話し手の意図やニーズによって聴き方も変える必要があるのではないかといった感想が挙がっていました。

この授業で実際に「傾聴」を体験することで、改めて「聴く」ことの難しさや大切さを実感してもらえたのではないかと思います。

受講した学生の感想

  • 今回の講義では、どんな状況が話しやすいか、自分の普段の話し方などに気づくことができました。視線や相づちがない環境が如何に話しにくく、相手の気持ちも押し殺してしまう環境が実感できました。また、自分が無意識に相づちや共感などを日頃からしている事に気づくことができました。傾聴を意識する事で、普段以上に話しやすくなり、話が広がったように感じました。そして質問をされることで知らなかった自身の側面や考えている事などを知ることが出来ると感じました。傾聴のスキルは相手のニーズだけでなく、自身についても知るきっかけにもなると感じました。これからは、こういったスキルを心がけて今以上に相手と良い関係を作っていきたいなと思いました」
  • 今日の傾聴ロールプレイを通して、聞き手の姿勢や態度によって、自分の気持ちの出しやすさが大きく変わることを実感しました。 特に、目を見てうなずいてくれたり、急かさずに沈黙を待ってくれたりする姿勢があると、自分の中でも整理できていなかった感情が、少しずつ言葉になって出てくる感覚がありました。逆に、わずかな視線の外し方や反応の薄さでも、話すことをためらうような瞬間があり、聞き手の存在がいかに大きな影響を与えるかを痛感しました。この経験を通して、傾聴とは単に「相手の話に耳を傾ける」だけでなく、「安心して話せる場を一緒に創ること」なのだと気づかされました。これからの生活にも今日感じたことを活かしていきたいと思いました。
  • 今回初めて「言い換えスキル」と「要約スキル」という傾聴スキルを知りましたが、実際のワークではまったくうまく使うことができませんでした。今の自分にはまだ身についていないスキルですが、だからこそこれから意識して練習を重ねて、少しずつでも身につけていきたいと思いました。今回の授業を通して、傾聴はただ「聞く」だけではなく、相手との信頼関係に深く関わってくる繊細で大切なスキルだということを実感しました。今後の日常生活や将来の社会生活でも活かせるよう、楽しみながら練習していきたいと思います。