2025年10月8日、三菱重工業株式会社で心理職として働いている川口知子先生(公認心理師・臨床心理士)が、大学院臨床心理学分野の1年生を対象に講義をしてくださいました。テーマは「産業領域で心理職として働くにあたり期待されていること」です。
川口先生は、長崎県でも数少ない産業領域のカウンセラーであり、また、本学の学部および大学院の卒業生でもあります。
院生たちは生き生きと語る先輩の話に熱心に耳を傾け、産業領域の心理職のやりがいと魅力を実感したようでした。
院生たちの感想
- 産業領域の心理職が何を求められているのか、実際にどのような業務を行っているのかを具体的に教えていただきました。5,000人の従業員をみているという規模の大きさに驚きを隠せません。講義のなかで何度も出てきた「職場とは、働く場所である」という言葉が印象的です。治療をするのではなく、職場で働くうえでどのように適応できるのか、そのためにはどのような働きかけをするのか、してもらうのかを大切にしていると思いました。企業組織のルールや文化、職場の雰囲気や職員同士の関係性などを常にアップデートしていかなければならないと学びました。忙しそう・難しそうという印象も持ちましたが、それが産業領域での心理職のやりがいでもあるのだと感じました。本日はお忙しい中、貴重な講義をしてくださりありがとうございました。
- 相談者の職場復帰や職場適応を促す際には、他職種や上司と連携を取り、治療は医療機関に任せるなど、連携と役割分担を意識した支援が行われている印象を受けました。部署や会社ごとに特徴や就業規則が異なっていたり、働き方改革などの最新情報を自ら収集する必要があると感じました。今後起こりうる課題を見越した行動や、広い視点から物事を捉える力など、産業領域における心理師の役割の広さと重要性を改めて感じることができました。