2026.06.30福祉・心理学科

卒業してから意味がわかる授業 ― ソーシャルワーク演習Ⅱと「黄色い本」 ―

「学生時代は大変だったけれど、現場に出てから意味がわかった」卒業生からそんな声が聞かれる授業があります。

福祉・教育・医療などの対人援助職は、正解のない場面に向き合う仕事です。そのような時に立ち返ることのできる土台として、本学の「ソーシャルワーク演習Ⅱ」では、バイステックの7原則を学び続けています。

学びの特徴~原則を「知る」から「使う」へ~

バイステックの7原則は、利用者との関係づくりや支援のあり方を考えるための基本姿勢です

授業では事例を用いて、
・意図的な感情表出とは何か
・統制された情緒的関与とは何か
・自己決定を尊重するとはどういうことか
・非審判的態度とは何か
などを学生同士で議論しながら考えます。

文献を丁寧に読み込み、自分の考えを言葉にし、事例に照らして考えることが求められるため、決して楽な授業ではありません。しかし卒業後、福祉・医療・教育などの対人援助の現場に立った時、「あの時学んだ意味がわかった」と振り返る卒業生も少なくありません。

本学の伝統~世代をつなぐ「黄色い本」~

本学では長年にわたり、バイステックの7原則のテキストを大切に学び続けてきました。

学生たちの間では、その表紙の色から「黄色い本」として親しまれています。在学中は授業や実習で何度も開き、卒業後も本棚に残り続ける一冊。そこには対人援助職として大切にしたい価値や姿勢が詰まっています。

「黄色い本」は単なる教科書ではなく、本学で対人援助を学んだ学生たちをつなぐ共通言語であり、それぞれの実践の原点でもあります。

人を支援するとは何かを問い続ける

「ソーシャルワーク演習Ⅱ」は、技術や知識を学ぶだけの授業ではありません。「人と向き合うとは何か」「相手を理解するとはどういうことか」そうした問いに向き合い続ける授業です。

本学では、時代が変わっても揺らぐことのない対人援助の基礎を大切にしながら、未来の実践者を育成しています。卒業後も心の中に残り続ける「黄色い本」とともに、本学で培った対人援助の基礎が、それぞれの実践を支える力となることを願っています。

ソーシャルワーク演習担当:佐藤(文責)・飛永・大杉・鹿山