2020.06.18大学院

大学院講義紹介「心の健康教育に関する理論と実践」

「心の健康教育に関する理論と実践」は、公認心理師養成のために昨年度(2019年度)から新たに開講された講義です。講義の目的は、学校や会社などの組織、あるいは地域など集団を対象とした心の健康づくりのための理論と実践について、現場で求められる方法を中心に学ぶことです。

受講生は、演習として心の健康教育に関する広報誌の作成と研修を実施します。その際には、目的、対象者、自分の立場等をそれぞれ具体的に想定することが求められます。

受講生による研修実施

この回は、オリンピックの強化選手を対象によりよいパフォーマンスのための心の健康に関する研修という想定で実施しました。

 

 

臨床心理学分野の講義ですが他分野の受講も可能なため、今年度は臨床心理学分野と児童保育文化研究分野の受講生が共に学んでいます。以下、受講生の感想とともに本講義について紹介します。

受講生の感想

毎回の授業や課題で、今まで考えたこともなかった新たな視点での学びがあります。講義や研修を実施する立場となって初めて気づくことや分かることが多くあり、相手がどう受け取るか、感じ取るのかを想像しながら、専門的な学びができています。

臨床心理学分野修士1年 林田 真紀子

公認心理師の仕事として、一般の人々も含めた多くの人々への心理教育や情報提供が求められる中、相手に伝える力の必要性を改めて感じました。また、現場で活躍されている先生からご指導いただけるで得るものが大きいと思いす。講義で学んだことを将来様々な場面で活かしていきたいです。

臨床心理学分野修士1年 吉田 阿海

同じテーマでも、対象者によって取り上げるべき内容が異なり、限られたなかで質の良い情報提供を行う難しさや、工夫する面白さを学びました。講義を通じ、公認心理師として働く際に役立つ知識やスキルを身につけられていると感じています。

臨床心理学分野修士1年 立石 理乃

今まで何気なく目にしてきた広報誌を、自分が作成することができる楽しさをはじめに感じました。他者に自分が作成したものを見てもらうことを考えた時、目的や対象、留意点などを考えなければならないと分かり、幅広い視点で作成していく必要性を学ぶことができました。

臨床心理学分野修士1年 荒木 紅葉

広報誌は,対象者に合わせて語尾を変化させたり、分かりやすく砕けた内容で書いたりすることは、普段行っていないことなので難しかったです。調べれば調べるほど、分量が多くなるので、どこを削るべきかを考えながら書くことが重要だと感じました。

臨床心理学分野修士1年 石丸 玲

講義では、公認心理師が担うべき重要な役割の一つである情報提供について学ぶことができます。今までは興味のある題材を取り上げて資料作りや研究を行ってきましたが、今後は、目的をはっきりさせて誰が見ても・聞いても分かりやすい報告書作成、情報提供のあり方をもっと深めていきたいと思います。

臨床心理学分野修士1年 森 咲紀

広報誌の発表で一番難しかったことは、想定した場における公認心理師の立ち位置等を考えることでした。研修会はイメージしづらい点もありましたが、他の受講生の発表を通し、パフォーマンス力の必要性を感じました。聞く人が惹き込まれ、そして自身も楽しんで学び、話せる研修会を作っていきたいです。

臨床心理学分野修士1年 松葉あかり

自らが教える、伝える立場になることを想定することが今まで無かったので、新鮮な気持ちでやりがいを感じています。公認心理師としての仕事がどのようなものなのか、授業を通して少しずつ具体的にイメージできているような気がしています。

臨床心理学分野修士1年 田中 さゆり

研修会を担当した際、初めてのパワーポイント作成にワクワクしました。四苦八苦しながら何とか完成した出来映えは別として、当日の格好を褒められたことが嬉しくて仕方ありませんでした。プロとして今まで生きてきた私は、新鮮な気持ちで授業を受け、初心に戻っています。

児童保育文化研究分野修士1年 内村 周子

担当教員コメント

受講生の感想を通し、互いに刺激し合い、こちらが意図していた以上のこと学んでくれていることがわかりました。これからも受講生とコミュニケーションをとりながら、よりよい学びを共有していけたらと思っています。

人間文化研究科(臨床心理学分野) 田崎 みどり

大学院/臨床心理学分野