2026.08.10福祉・心理学科

授業で「もしバナゲーム」を行いました(地域包括支援論A)

福祉・心理学科では、毎年、1年次必修科目の「地域包括支援論A」の授業で「もしバナゲーム」を行っています。

このゲームは在宅医療や緩和ケア医療に関わる医師らによって作成されたものです。人生の終末期における支援は福祉も心理も関わる領域であり、本人や家族の意思を尊重しながら支援の在り方を一緒に考えていくことが重要です。このゲームを通して、死に臨む方の葛藤や心のゆらぎについて理解が深まること、また自身や他者の人生観や価値観に気づくことをねらいとして実施しました。

カードが36枚あり「痛みがない」「意識がはっきりしている」「家族と一緒に過ごす」「お金の問題を整理しておく」など、死の間際に人が大事にしたいこと、行いたいことが記してあります。

参加者はカードの山から自分が余命半年になったときに望むことを選んでいきます。手元には5枚のカードしか持つことができず、カードの取捨選択を通して自身の人生観や価値観について気づいていきます。カードを選ぶときにはその理由を説明する必要があり、グループで実施することで価値観の多様性についても知ることができます。

授業では長崎市が配布している「元気なうちから手帳」に対する理解も深めました。

この手帳は厚生労働省が普及をすすめている「アドバンス・ケア・プランニング(人生会議)」の一環で作成されたもので、「もしも」の時に自分の意思が反映され、自分らしく最後を迎えることができるようにと考えられたものです。


学生たちは今まで考えることがあまりなかった「死」について考え始めました。「死」について考えることがよりよい「生」について考えることになる。学生一人ひとりが自分自身と向き合う4年間になることを願っています。

学生の感想

  • 私が思う最後の自分の姿とみんなが思う姿はそれぞれ全く違うなと思いました。この授業で話題に触れるまであまり考えたことがなかったので、とても不思議な気持ちになりました。「こんな最後の迎え方があるのか」とか、「こんな終わりもいいな」という考えをもつようになって、今まで「死」ということに対してネガティブなイメージしかもっていなかったけど、前向きに考えるいい機会になったと思います。これからも「自分の最後」について逃げずにしっかり向き合っていきたいと感じました。
  • 自分がもし、余命わ
    ずかの人生だったらと考えると不安になりますが、とても大事な事なんだなと思いました。人それぞれ迎えたい最期の形があって、それを人に伝えるということは少し緊張します。ですが、だからこそ、「自分と向き合う」という日々の生活では意識しないことができます。私は「家族に自分の死を覚悟してほしい」ということに気がつきました。変に気を遣ってほしくないからです。迷惑かけたくないけど、甘えたいとも思えてしまいます。
  • 私は今日の授業で「死」について考え、自分がどのように死にたいのか、どんな環境でいたいのかを考えました。私は「死」に対して怖いイメージしかなくて、あまりそういうことを想像したくない人間だったのですが、今日のもしバナゲームを通して、今まで考えたことのない自分の死について考え、明確な希望や理想があることが分かりました。ずっと怖くて避けてきたけど、これからは自分の死についてもう少し深く考えたいと思いました。

担当:福祉・心理学科 井上