田崎 みどり会話とは日常的な実践ですが、とらえようによっては、大変複雑で不思議な現象です。病気や障害のためにコミュニケーションに困難を有している方との会話を続けることは、なかなか容易ではありません。しかし、ふとした瞬間に「伝わった!」と思える瞬間があったり、ご本人の辛さなどについての語りが生じることがあります。このような瞬間を増やし、可能性を広げていくための話のきき方や関わり方に関心をもち、会話をナラティヴ・アプローチの観点から研究しています。 会話は様々なコミュニケーションに発展する可能性を有しています。学生のみなさんともさまざまな会話を実践できたらと思っています。


基本情報

職位・所属
心理教育相談センター主任
准教授
人文学部 福祉・心理学科/地域包括支援学科
学位
博士(人間科学)[立命館大学大学院人間科学研究科人間科学専攻博士課程後期課程 2022年3月]
修士(学術・文学)[長崎純心大学大学院人間文化研究科博士前期課程(臨床心理学)2003年3月]
学士(看護学)[広島大学医学部保健学科看護学専攻 1999年3月]
専門分野
医療心理学
カウンセリング
健康教育
質的心理学
研究テーマ
治療的コミュニケーション、ナラティヴ・アプローチ、治療的会話の構成とその可能性
産業・組織支援のためのコンサルテーション

担当科目

学部

  • 健康・医療心理学
  • 発達心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもと健康
  • 心理実習
  • 心理演習
  • 専攻演習Ⅰa・Ⅰb・Ⅱa・Ⅱb
  • 卒業論文

大学院

  • 心理実践実習A・B・C・D
  • 心の健康教育に関する理論と実践
  • 心理学特別研究演習
  • 臨床心理地域援助特論
  • 人間文化特別研究(修士論文)

主な研究業績

年月 著書・学術論文名他 掲載誌名又は学会名
2023年12月 臨床ナラティヴアプローチからとらえた主観的時間の回復;認知症高齢者との「なじみの関係」構成プロセスの検討から 長崎純心大学心理教育相談センター紀要 第22巻,45-60.
2022年11月 臨床心理学中事典 野島一彦(監修)森岡正芳・岡村達也・坂井誠・黒木俊秀 ・津川律子・遠藤利彦・岩壁茂(編集),遠見書房
2022年3月 臨床ナラティヴアプローチからとらえた認知症高齢者との会話の実践とその可能性 立命館大学大学院人間科学研究科博士課程後期課博士論文
2020年11月 コミュニティ支援におけるブリーフセラピーの使い方 訪問が支援になるために ブリーフセラピー入門 柔軟で効果的なアプローチに向けて 日本ブリーフサイコセラピー学会編 遠見書房,p.203-209.
2020年9月 会話にみる認知症高齢者との「なじみの関係」の構成;デイケアにおける治療的会話の試みから 長崎純心大学心理教育相談センター紀要 第19巻,61-74.
2020年3月 子どもの健康における身体のとらえ方;身体知の観点からの検討 児童教育支援センター年報 第14号, p.67-78.
2018年11月 会員企画シンポジウム「社会詩学(Social poetics)の試み」話題提供「会話のリハビリテーション-高齢者介護において」 日本質的心理学会第15回沖縄大会
2018年11月 大会企画シンポジウム「災害後の学校コミュニティへの支援を考える;『始める』『続ける』『終える』の3つの視点から」の論文化にあたって,リフレクション ブリーフサイコセラピー研究 第26巻2号,42,56-57.5
2016年9月 「会話をリハビリテーションにするために 認知症高齢者との会話から」 臨床心理学 16巻5号, p.571-575
2016年9月 「ものわかりのよい、手のかからないセラピストとクライエント」、「会話を続けること―コミュニケーション障害は治療的会話の促進を妨げるか?」 児島達美・和田憲明・永尾嘉康・伊藤勢津子・森俊夫,「ディスコースとしての心理療法──可能性を開く治療的会話」,遠見書房
2016年7月 「『家族ぐるみ』『病院ぐるみ』セラピーができるまで:精神科病院における心理相談室の実践から」 坂本真佐哉・黒沢幸子(編)「不登校・ひきこもりに効くブリーフセラピー」,日本評論社, p.102-120
2014年6月 「ブリーフなラインケアのためのコンサルテーション-産業臨床におけるEAPの実践から」 こころの科学 176号 家族療法とブリーフセラピー,日本評論社, p.49-53
2013年10月 「会話を『リハビリ』に役立てるための工夫:認知症高齢者との治療的会話の試みから」 ブリーフサイコセラピー研究 22巻1号, p.14-24
2009年1月 「リンショウゲンバ 訪問看護と心理臨床」 臨床心理学 9巻1号,p.127-129
2007年12月 「会話を続けていくことの意義とその効果:妄想に変化が生じた統合失調症患者の事例から」 ブリーフサイコセラピー研究 16巻2号, p.84-94
2007年12月 「フィールドワークから会話へ、そして精神科臨床へ」 ブリーフサイコセラピー研究 16巻2号, p.119-123

社会における活動

  • 日本ブリーフサイコセラピー学会理事
  • 地域における産業保健・産業メンタルヘルス支援
  • 長崎市地域包括支援センター運営協議会委員
  • 長崎海上保安部メンタルヘルスアドバイザー

所属学会

  • 日本心理臨床学会
  • 日本ブリーフサイコセラピー学会
  • 日本産業精神保健学会
  • 日本質的心理学会
  • 日本家族療法学会